使用しているグラボはMSI Radeon RX 580 ARMOR MK II 8G OCで、このグラボは背面に対しては全く排気をしない上に大半が前に排気されるというエアフロー泣かせなやつである。
グラボの前方排気はケースのフロント吸気ファンと風が当たりエアフローを乱す上にCPUクーラーが熱風を吸い込むので面倒であった。
この対策はフロント下段のファンを排気にして板で仕切ることでCPUが冷えるようになり改善された。
PPシートでカットした簡単な板
ケースやパーツの形状などに合わせるつもりもないシンプルな板状だが十分な効果を得られた。
その代わりに見た目が悪くなったが...。
話はまだ続く。
PCケースをQ300Lに交換したのだが、小さくなったことでグラボの側面排気がアクリルパネルに当たって、そのまま上下に排気が拡散して半分が吸気としてまたグラボのクーラーに取り込まれる状態になってしまった。
もちろん、こんな状態では高負荷で80℃前後まで上がってしまうのでファンも高回転でとてもうるさい。
ならば...
『側面に排気してエアフローを乱すなら前後排気にさせればいい』
あんまり良さそうに思えないがとりあえずやってみた。
ということで、側面をとりあえず紙で覆ってみたのだが、当然ながら冷却性能は落ちてしまい限界までテストすることもなく即中止に。
次に思いついたのは
『ファンをケースファンにして若干外側にはみ出させ側面から出る排気を上に送ろう』
というもの。
まだ保証が半年残っているのでヒートシンクは分離させずカバーとファンだけを外す。
だいたいの位置を決める為に仮置
コピー用紙でネジ穴の位置を確認する。
今思えばこの工程はいらなかったかも。
PPシートを加工
ピッタリハマるのを確認したら
ファンをシートに固定してシートをヒートシンクに固定してクーラー完成。
垂れ下がることもなくちゃんと使えそう。
ケースファンは1600rpmx2
温度はストックと比べて若干低くなったが風量が不足しているように感じる。
そもそもこのヒートシンクがTDP185Wに対して1cmのヒートシンクの厚みにヒートパイプ2本という貧弱さでファンがどうなろうが冷やしきれない疑惑がある。
ケースパネルを閉じると何故か温度が85℃を超えてしまいストックより冷えない結果になった。
排気はちゃんと上に送られているのだが、やはりファンの風量不足だろうか。
ということで、どこのご家庭にもある12cm 3000rpmのファンを搭載すると冷えるのは冷えるのだが、PCケースの中に掃除機があるレベルでうるさいので中断。
ついでにケースファンを繋ぎすぎというか、こいつが大食いらいでシステム全体のケースファンの回転数が下がってしまう電圧不足かと思われる状態になった。
これはケースファンのコネクタをケースファンコネクタ for VGAコネクタな変換ケーブルを使うことで解決できる上にストックファンと同じ挙動をするので静音化もできる。
ただし、入手性には難があり、800円程度の商品が3000円とかすることもあるので、1000円ぐらいで売ってたら1つぐらい買っておくといいかも。
血迷ってしまい、カバーが邪魔なのではと考えてまたPPシートでフレームを作成して純正ファンのみを搭載して冷やしてみたのだが、これも85℃を超えてしまいカバーの重要性を再確認した。
結局純正状態が一番冷えるというつまらない結果になってしまった。
いつもミドルグラボを購入するのだが、5つ購入したミドルグラボの中でもTDPに釣り合わないこんな貧弱なヒートシンクは初めてであった。
これではいくら風量があるファンでも冷えないのだと納得できる。
RX 5600が発売されれば飛びついて買う予定なので、こちらは売却予定で水冷化とか保証が切れるような行為は売却時の価格が下がりそうなのでやりたくない。
今回は保証が切れない範囲で試行錯誤してみたが、結局の所はサイドパネルをオープンさせるかPCケースに側面排気ファンがあることが最も効果的であると思われた。
オリファンモデルでここまで苦労するならリファレンスが良いのではと真剣に考えている。
冷えないうるさいと評判のリファレンスだが、そもそもクソ熱い排気を内部に拡散するオリファンはナンセンスだと思ってしまう。
コストが許せば最初から水冷を前提としたグラボが最高の選択肢かも。
2019/08/16 追記
RX 480 Nitroの製品画像を見かけたのだが、こちらのグラボはオリファンでサイドを塞いでいる形状になっている。
ピッタリとボディで覆ってしまえば前後排気仕様としてやっていけるのでは?と思いPPシートで加工してみた。
シートをグラボに合わせてカットするのに1時間以上かかってしまった。
隙間は思ったより少なくできたかと思っていたのだが、ほんのちょっとだけ鼻息程度の排気が出る感じ。
排気は全て前に吐き出され、構造的に後方にも排気されるのだが、この加工でも全く後ろには排気されなかった。
設計がクソなんじゃね?
OCCTを回すとケース開放で74℃が最大で72℃ぐらいで安定した。
何故かよく冷えている。
ケースを閉じると+4℃で78℃になった。
この状態はストックより若干冷えている程度で誤差の範囲。
全ての排気が前に集中するので、一応1600rpmでケースのフロント下段のケースファンを回して排気しているのだが、それでも排気が追いついていない様子だ。
しかし、グラボの吸気にグラボの熱い排気が再度吸い込まれるようなことはなくなったのでファン回転数は落ちている。
だが、これではケースファンがうるさくて静音化どころではない...。
そのうち140mmケースファンに換装するので少しは改善できるかも知れない。